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交響詩『ドン・キホーテ』(''Don Quixote'' )作品35は、リヒャルト・シュトラウスの管弦楽作品。副題を「大管弦楽のための騎士的な性格の主題による幻想的変奏曲」(''Phantastische Variationen über ein Thema ritterlichen Charakters'' )といい、ミゲル・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」に基づいて書かれた。卓抜した管弦楽法もさることながら、独奏チェロ・独奏ヴィオラが活躍することでも有名であり、それぞれ主人公のドン・キホーテと従者のサンチョ・パンサの役を演じている。 *作曲時期:1897年12月29日ミュンヘンにて完成。リヒャルト・シュトラウスによって書かれた7曲の交響詩のうち、6番目の作品である。 *初演:1898年3月8日、ケルンにて。フリードリヒ・グリュッツマッハーのチェロ、フランツ・ヴェルナーの指揮による。 == 曲の構成 == 原作については小説「ドン・キホーテ」を参照のこと。ニ長調を中心の調とする。 *序奏 *:ラ・マンチャの村に住む男が騎士道の本を読んで妄想にふけり、自分が騎士ドン・キホーテであると思い込んでいく。 *主題 *:ドン・キホーテは従者サンチョ・パンサを引き連れ、冒険に出る。ドン・キホーテの主題が独奏チェロで、サンチョ・パンサの主題が独奏ヴィオラで奏される。 *第1変奏 *:ドン・キホーテは風車を巨人と思い込んで戦いを挑むが、風で風車が回り、地面に叩き付けられてしまう。風は弦楽器のトリルで表現される。 *第2変奏 *:ドン・キホーテは羊の群れを敵と勘違いして蹴散らす。羊は金管楽器のフラッター奏法で示される。 *第3変奏 *:冒険が嫌になったサンチョ・パンサとドン・キホーテが言い合いをする。独奏チェロ・独奏ヴィオラの聴きどころである。 *第4変奏 *:ドン・キホーテは、懺悔者の一行が携える聖像を誘拐された貴婦人だと思い込み、助け出そうとして一行に突入するが、叩き付けられて失神してしまう。 *第5変奏 *:ドン・キホーテは、架空の恋人ドルシネア姫への思いに耽る。 *第6変奏 *:ドン・キホーテは、通りかかった不器量な田舎娘をドルシネア姫だと信じ込むが、娘は気味悪がって逃げてしまう。 *第7変奏 *:女たちにからかわれ、だまされて目隠しをしたドン・キホーテとサンチョ・パンサは、乗せられた木馬を魔法の馬だと信じて、巨人退治に夢中になる。ウィンドマシーンによって架空の飛行が奏される聴き所である。持続低音が、実際は地面に止まったままであることを表している。 *第8変奏 *:川岸で櫂のない小舟を見つけた2人は、それに乗って囚われの王子を救出に向かうが、水車に巻き込まれて転覆し、ずぶぬれになってしまう。滴る水を弦楽器のピッツィカートが表現している。 *第9変奏 *:ドン・キホーテは2人の修行僧(2本のファゴット)を悪魔と勘違いして襲いかかる。驚いて修行僧たちは逃げるが、ドン・キホーテとサンチョ・パンサは意気揚々と旅を続ける。 *第10変奏 *:ドン・キホーテを妄想癖から治そうと、彼の友人カルラスコが騎士に扮して、決闘を挑む(トランペットで表現される)。ドン・キホーテはついに冒険をあきらめ、寂しく村に帰る。 *終曲 *:ドン・キホーテは故郷の村で死の床にある。ドン・キホーテは静かに自分の生涯を回想する。チェロのグリッサンドによって彼の死が示される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ドン・キホーテ (交響詩)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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